交通事故で通院や入院をした場合に慰謝料を請求する方法

予想外に起きてしまう交通事故。赤信号で停車中、後ろの車から追突されるケースは少なくありません。ほとんどの場合、追突された方に過失はないですから、相手側から慰謝料を貰うことになります。慰謝料は怪我の状態や入院及び通院した日数で計算され、支払われます。

被害者になったときに不利益を受けないよう、事故に遭ったときの対処法や慰謝料の計算方法などをまとめました。


示談に応じるべきではない理由

もし後続車に追突されてしまい、加害者が同情的な話をしたとしても、その場で示談に応じるのは正しい判断ではありません。軽度の追突で、そのときは大丈夫だと思っても、後日頚椎などに後遺症が現れるケースは珍しくないからです。

示談してしまった後では、慰謝料を貰うことができなくなってしまいます。事故後はすぐに警察へ電話し、来てもらいましょう。警察官は現場の検証をして、交通事故があったことをデータで残します。データに残ることで、後に行う保険金請求の際に交通事故証明が取得できるのです。

慰謝料の種類と算出方法

交通事故で支払われる慰謝料は損害賠償金の一部であり、精神的苦痛に対するお金です。種類分けすると、入通院慰謝料と後遺障害慰謝料、死亡慰謝料の3種類です。入通院慰謝料は怪我の治療のために入院したり通院したりした場合に支払われるもので、軽症でも関係なく、治療にかかった期間を基に計算されます。

後遺障害慰謝料は怪我の完治が見込めず、後遺症が残った場合のお金です。申請すると14級から1級までの等級で分けられ、それに応じて金額が決められます。そして、死亡慰謝料は故人の年齢や職業などが考慮されて金額が決まります。

慰謝料の計算方法は、1種類だけではありません。慰謝料基準が低い順に、自賠責保険基準、任意保険基準、弁護士基準となっています。自賠責保険基準は国からの補償となり、120万円が上限です。初診から治療完了までの日数、もしくは通院日数×2の内、数字が低い方に日額4,200円をかけて算出します。

自賠責保険は義務付けられているので、必ず補償が受けられます。しかし、加害者が任意保険に加入していなかった場合、任意保険基準は適用されません。任意保険基準は、自賠責基準を超える治療費がかかった場合にカバーするのが目的です。

それぞれの自動車保険によって基準が違いますが、元来は共通の計算基準で算出されていて、それを基に基準を定めている会社が多いです。1ヶ月の入院で25.2万円、1ヶ月の通院で12.6万円というのが目安となっています。

実はこれで計算しても、自賠責保険基準で算出される金額とほとんど変わりません。ですが、弁護士基準の場合は、倍近い金額となる場合もあります。むちうち治療の場合は1ヶ月の入院で35万円、1ヶ月の通院で19万円、その他の怪我治療の場合は1ヶ月の入院で53万円、1ヶ月の通院で28万円が基準です。

怪我の具合や治療方法が同じでも、請求の仕方によって金額が大きく変わるので、注意が必要です。

交通事故の慰謝料と自賠責

慰謝料を多く請求するために注意したいこと

入通院慰謝料を請求する側は、できるだけ多めにお金を貰いたいと考えるものです。今後どの程度後遺症が人生に影響してくるのか予想できないという精神的苦痛が伴うので、当然と言えます。もちろん治療が終わっているのに増やすことはできませんが、できる限り金額を増やすには、治療日数を増やすことが大切です。

治療が必要な状態であることを証明するためには、2日に1回程度の頻度で通院していることを伝える必要があります。接骨院での治療やリハビリも治療期間に含めることができるものの、医療機関での治療を優先してください。

それから、マッサージばかり受けていると治ったと考えられることが多いので注意が必要です。骨折などでは、完治までの期間が人によって大きく変わることはありません。でも、むちうちなどは見た目に問題がなくても自覚症状があることは珍しくないです。

一方、むちうち治療の場合は完治まで3ヶ月程度という目安があるものの、妥当とは言えないケースがしばしばあるのです。したがって、医師に辛い自覚症状があることを訴える必要があります。

保険会社から入通院慰謝料支払いを打ち切るという内容の申請書がいずれ届くでしょうが、症状が出ているのに受理してしまうと、その後の治療費は自分で支払わなければいけなくなります。それに後になって後遺症が出てきても、二度と慰謝料を請求することはできません。

自分で慰謝料請求する場合

慰謝料は、被害者自身で行わなければいけません。被害者に過失がある交通事故の場合は、任意保険に付帯されている示談交渉代行サービスを利用できますが、追突事故は過失が無いので受けられないのです。ですから、加害者が加入している保険会社に対して示談交渉を行います。

保険会社に交渉を持ちかけるときは弁護士基準で金額を算出しますが、素直に応じてくれるとは考えにくいため、その金額の8割程度に設定するといいかもしれません。請求額と共に、事故によって被った症状や精神的苦痛について説明した文書を送付します。

もし余裕があれば、交通事故裁判の判決例などの参考資料を同封します。請求額が高いほど、交渉は難航しがちです。もし保険会社の回答に納得できなかったら、その理由を添えて再交渉に臨んだり、金額を下げて再提示したりします。

反対に納得できる金額であれば、免責証書を送ってもらってください。

交通事故に遭った時の医療費はどうなるの?

サポートしてくれる専門家と公的施設

自分で交渉するのは手間と時間がかかるので、弁護士に依頼する人も少なくありません。弁護士は交通事故の案件を得意とする人を選ぶといいでしょう。慰謝料の金額が高くなるほど交渉が難しくなると前述しましたが、重い後遺症が残った場合は簡単に解決できる可能性がありますし、中でも死亡事故の場合はスムーズに事故処理される傾向にあります。

その場合は、書類作成を得意とする行政書士に依頼するのも一案です。弁護士費用よりも安価な報酬で依頼できることがほとんどです。弁護士に依頼すると成功報酬が高くつく可能性があるので、解決が困難と思われる案件のみに絞るのが賢明かもしれません。

まず自分で保険会社と交渉してみて、難航するようなら弁護士に頼むというのも一つの方法です。それから、交通事故紛争処理センターを活用するという方法もあります。被害者と保険会社の間に入って、話し合いでの解決を支援してくれる公益財団法人です。

無料で利用できるのが魅力ではあるものの、被害者の味方というわけではない点や、十分な資料を作成していかないと主張が認められない可能性がある点などには注意しなければいけません。