交通事故の慰謝料と自賠責

自賠責で受け取れる慰謝料には、全部で3種類あります。傷害と後遺障害と死亡です。それぞれ計算式などの内容は異なり、上限額もあります。具体的に慰謝料を何円受け取れるかは、交通事故の状況次第です。ちなみに、自賠責から受け取れる慰謝料を高くする方法もあります。

整骨院や労災を活用すると、金額は高めになる傾向があります。

加入が義務付けられている自賠責と3種類の慰謝料

車を運転するなら、自賠責には必ず加入する必要があります。万が一の時に最低限の補償を受けられるよう、加入が義務付けられている訳です。加入しない状態で運転しますと、懲役もしくは罰金になってしまいますから、注意が必要です。

その自賠責による慰謝料には3つあって、それぞれ限度額は異なります。傷害による慰謝料は最大120万円で、後遺障害は4,000万円です。

そして死亡は3,000万円になります。

後遺障害に対する慰謝料は何円ぐらいか

後遺傷害の慰謝料の金額がどれぐらいになるかは、後遺症の状況次第です。重い状況になるほど、慰謝料の金額も大きくなります。というのも後遺症の状況は多彩です。例えば交通事故によって、視力が弱くなってしまう場合があります。

事故前は視力2.0だったのに、事故後には0.2や0.05など低くなってしまう事も多いです。状況によっては、失明してしまう事もあります。もちろん視力0.2という後遺症よりも、失明の方が重たいです。また手足に関する後遺症も、色々あります。

指を動かすのが困難になる程度の後遺症もあれば、腕を切断するケースもあります。後遺症も色々なパターンがあるので、等級が付けられている訳です。第1級や第3級や第8など、色々あります。等級の数字が小さいほど、重たい後遺症になります。

必然的に、慰謝料の金額も大きくなる訳です。現に第9級ですと、慰謝料は最大245万円になります。しかし第4級は712万円前後ですし、一番重たい第1級は3,000万円です。

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死亡した時の慰謝料

また死亡による慰謝料ですと、自賠責で支払われる金額の上限は3,000万円です。しかし実際には、3,000万円未満になる傾向があります。というのも交通事故で死亡した時の損害は、複数あるからです。慰謝料の他にも、葬儀費用もあります。

葬儀費用は、被害者が全額負担する訳ではありません。自賠責から一部負担される事になります。それと逸失利益に関するお金です。交通事故で死亡した場合、遺族が受け取れる収入が減ってしまう場合があります。例えば交通事故がなければ、本来は700万円受け取れる筈だったとします。

その700万円も、自賠責による支払いの対象になる訳です。ですから実際には、上述の3,000万からは700万や葬儀費用などが差し引かれた分が、慰謝料として支払われる事になります。

傷害に対して自賠責で支払われるのは慰謝料だけではない

そして3点目の傷害の慰謝料ですが、それも上限額があります。最大120万円と定められていますが、それも全額支払われるとは限りません。傷害の場合、自賠責から支払われるのは慰謝料だけではなく、治療費もあります。

交通事故で負傷した時は、病院で治療を受けるのが一般的です。後遺症も心配なので、数ヶ月ほど治療を受け続ける訳ですが、病院には治療費も払う事になります。その治療費に対して、自賠責による保険がおります。そして休業損害です。

交通事故で負傷すると、働くことが難しくなってしまう場合があります。それで収入が減ったとしても、保険がおります。

治療費の状況次第では慰謝料に対する支払いが減る

このため治療費によっては、自賠責で受け取れる慰謝料が減ってしまう場合があります。上述の通り、傷害に対する慰謝料の上限額は120万です。もしも治療費がゼロ円なら、慰謝料を120万円受け取れる事もあります。

しかし実際には、治療費の分だけ減額されてしまう事も多いです。というのも自賠責による支払いには、優先順位があります。慰謝料よりも治療費を優先的に支払うルールになっているのです。ですから例えば、治療費が90万円だったとします。

120万円から90万円が差し引かれてしまい、自賠責で受け取れる慰謝料は、30万円に限定されてしまう場合があります。ちなみに休業補償の分も、差し引かれます。

労災を活用すると慰謝料への支払いが増える

ですが、たとえ病院で治療を受けたとしても、慰謝料を120万円受け取れるパターンもあります。労災を活用すれば、慰謝料の分を増やせるのです。そもそも交通事故は、業務が原因というパターンもあります。あくまでも業務遂行の為に車を運転していて、事故になってしまうケースもあるのです。

その場合は、たいてい労災の対象になります。仕事上のケガですと、会社から労災保険がおります。ですから上述の70万円の治療費は、自己負担にはなりません。労災で負担されますから、本人が病院に支払う治療費は、ゼロ円になります。

という事は、70万円という治療費が差し引かれない状態になります。120万円から減額されないので、自賠責で慰謝料が満額支払われる事もあるのです。

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自賠責による入通院の慰謝料と日数との関係

また入通院の日数も、慰謝料のポイントの1つです。入通院に対する慰謝料の金額は、通院した日数に左右されるからです。入通院の慰謝料は、日額4,200円と定められています。その4,200という数字に、通った日数を乗じます。

例えば、通院日数は40日だったとします。上述の4,200を乗じると、168,000円という数字が算出されますが、自賠責からその金額が支払われる訳です。

ですから日数が多くなれば、もちろん金額も大きくなります。

整骨院は自賠責による支払い額も増えやすい

ところで治療を受ける施設によっては、日数を増やす事もできます。そもそも交通事故に対する治療を行うのは、病院だけではありません。整骨院もあります。病院よりも整骨院の方が、日数が多くなりやすいです。というのも病院は、早い時間帯に診察を締め切ってしまいます。

夕方以降は、診察を受け付けていない病院も多く、通院日数は少なくなってしまう事も多いです。それに対して整骨院は、比較的遅い時間帯まで営業している傾向があります。それと待ち時間です。混雑している病院ですと、待ち時間が長くなってしまい、通院も難しくなってしまう傾向があります。

しかし多くの整骨院は、予約制を採用していますので、待たずに治療を受けられる訳です。ですから整骨院の方が、比較的通いやすいです。通院日数も多くなりやすいので、自賠責で受け取れる金額も、比較的多くなる傾向があります。