交通事故で死亡した遺体を引き取る場合に知っておくべきこと

現代社会で生活を送っている人ならば、誰もが自動車を目にしない日は無いと言っても過言ではなく、誰もが日々交通事故に遭遇する可能性と隣り合わせで暮らしていると言えます。けれど自動車はあまりにも身近でありふれた存在であり、生活を便利にしてくれるものであるため、その危険性については忘れがちになってしまっています。

自動車によって命が奪われることもあります

近年では大きな交通事故はニュースや新聞でも大きく取り上げられ、社会問題に発展していくことが少なくありません。飲酒運転や未成年の無免許運転、あおり運転やひき逃げなど、悪質な交通事故は絶対に許すことが出来ないという思いは、社会全体で共有されています。

けれど何度もそうした悪質な交通事故が全国で多発するたびに法律や罰則が変わっても、残念ながら未だにそうした交通事故が無くならないことも事実です。数えきれない程の犠牲者が出ているにも関わらず、一向に飲酒運転などが根絶されないことは残念というしかありません。

法律や交通ルールを無視した人間が起こした交通事故で命を奪われてしまった人はもちろん、その遺族の憤りや悲しみ、無念の思いを想像するだけで胸が苦しくなってきます。もちろんそれ以外にも単独事故でも死亡事故に発展することは珍しくありませんので、やはり自動車は便利なものであると同時に人の命を簡単に奪ってしまうことが出来る凶器でもあるのだという認識は常に持っておく必要があります。

すぐに遺体の引き取りが出来ない事もあります

ニュースや新聞で毎日のように目にする死亡事故ですが、いつ誰がそのような状況に陥るか分かりません。ニュースや新聞で見聞きしているだけでは実感が湧きませんが、交通事故に遭う直前まで元気に暮らしていた人が突然この世からいなくなってしまうことは、遺された家族にとっては言葉で言い表すことが出来ない程の衝撃であるはずです。

それでも愛する家族が亡くなったのですからその遺体を引き取り、弔う必要があります。ですが死亡事故の場合は、遺体を引き取りに行ってもすぐに引き渡して貰うことが出来るかどうかは分かりません。何故ならば、交通事故による死亡は、変死扱いとなるため検死が必要となることが多いためです。

病院や自宅などで医師に看取られながら死亡した場合は、問題なく死亡診断書が出されます。交通事故の場合でも救急病院に搬送時には息があり、医師の治療を受けた後に死亡したのであれば死亡診断書はすぐに出されますが、即死状態であった死亡事故や搬送時に死亡した場合は検死が必要となることが多いということを覚えておきましょう。

検死のことを知っておきましょう

死亡事故で検死が必要と言われた場合は、いつ行なわれるのかが気になるところですが、事故当日に行なわれることもあれば翌日以降に行なわれることもあり、一概にいつ行なわれるかということははっきりと決まっていません。

愛する家族を突然の交通事故で失った遺族からすると1日でも早く遺体を引き取り弔ってあげたいと思うはずですが、検死の状況によって遺体の引き取りまでに2日から1週間程度かかることもあります。交通事故で傷付いた遺体を多くの人の目にさらしたくない、という思いを持つ遺族も少なく無いと思いますが、検死の多くは遺族の了承を得てから行われます。

それでは検死を希望しない場合は拒否することが出来るのかどうかが気になるところですが、まず裁判所から鑑定処分許可状が発行されている場合は、いくら遺族が望まなくても検死を拒否することは出来ません。そして検死と聞くと遺体をメスで切り刻まれるというイメージを持つ人も多いと思いますが、腹部の損傷や頸椎の骨折など、レントゲンなどで死亡原因が明らかに確認出来る場合は解剖は行われず、目視による確認で終わることの方が多くなります。

遺体は事故の状況を判明させる重要な証拠となることがあります

それでも目視だけで終わると言われても、交通事故で傷付いた家族の遺体を多くの人の目に触れさせたくないという思いから、検死を拒否したいと考える遺族もいるでしょう。もちろんそうした思いは尊重されるべきですし、遺族になれば誰もが同じことを思うはずです。

けれど検死を行うことで、死亡事故の状況が分かることは少なくありません。特に加害者がいる場合の事故では加害者が自分に有利な証言をすることは想像に難くありませんが、被害者の遺体に遺された証拠からその証言が嘘だと証明することが出来ることもあり、遺体は重要な証拠となることがあります。

そのため検死を拒否したいという遺族の思いも分かりますが、特に事故の状況が不明な場合は検死を行うことで明らかになることが少なく無いので、辛いとは思いますが出来るだけ検死をすることをおすすめします。

交通事故に遭った時の医療費はどうなるの?

遺体の引き取り時には本人や遺族の身分証明証を持参しましょう

交通事故が身近な人などいないはずですので、突然交通事故に巻き込まれたら動転することだと思います。『関連情報:交通事故後遺症:アディーレ法律事務所

軽微な事故に遭遇するだけでも動転してしまうのに、突然家族が死亡事故に巻き込まれてしまったと連絡が来た場合は、どうしていいのか分からずパニックになることでしょう。とりあえず搬送された病院に向かうとは思いますが、その際何が必要になるのかも分からないはずです。

死亡事故の場合は身分証明証などを身に付けていなければ本人確認が出来ない場合もありますので、警察からの指示があればもちろんですが、死亡者本人や遺体を引き取る予定の遺族の身分証明証を持参していくことをおすすめします。

パニック状態でそこまで気が回らない状況に陥ってしまうのは当然のことですが、本人確認や遺体の引き取りをスムーズに行うために、冷静に行動する必要もあります。

葬儀や死亡後の手続きは病死の場合と変わりありません

無事に検死が終わり、遺体を引き取ることが出来るようになった時、次に頭に浮かぶのは葬儀のことではないでしょうか。

一般的な病死とは違う事故死ですので、遺体を引き取った後は病死の場合と同様に葬儀を行っていいのか気になるところだと思います。

葬儀は事故死でも、病死の場合と何ら変わらず通常通りの手順で行って構いません。葬儀社に心当たりがある場合は、事前に遺体を引き取ることが出来ると分かれば連絡を入れておくとスムーズに進みますし、葬儀社に心当たりが無い場合は搬送された病院から紹介して貰うことも出来ます。

死亡届や火葬許可証なども葬儀社が代行して届け出たり受け取ったりしてくれますので、遺族の負担を軽減してくれるはずです。葬儀後も病死と同様に健康保険資格喪失届や国民年金資格喪失届、加入していた民間の生命保険会社への連絡など、様々な手続きを行いましょう。